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投資にかかる税金の基本
まず前提知識として、投資で得た利益にかかる税金を確認しておこう。
- 売却益(キャピタルゲイン):20.315%(所得税15.315% + 住民税5%)
- 配当金(インカムゲイン):20.315%(同上)
つまり、100万円の利益が出ても手取りは約80万円。20万円は税金として持っていかれる。これは結構デカい金額だよね。
でも、これから紹介する5つのテクニックを使えば、この税金を合法的に減らす(場合によってはゼロにする)ことができる。
テクニック1:NISA(非課税枠を使い切れ)
節税テクニックの中で最も強力で、最も簡単なのがNISAだ。
NISAの概要
- 年間投資枠:つみたて投資枠120万円 + 成長投資枠240万円 = 合計360万円
- 生涯投資枠:1,800万円
- 非課税期間:無期限
- 対象:売却益・配当金がすべて非課税
NISAを使えば、1,800万円分の投資で得た利益がすべて非課税になる。
NISAを使わない場合との差
- 1,800万円を年利5%で20年運用 → 利益は約2,976万円
- 通常口座の場合:税金約604万円
- NISA口座の場合:税金0円
- 差額:約604万円
600万円以上の節税効果。これを使わない手はない。NISAの非課税枠は国からのプレゼントだと思って、できる限り使い切ろう。
テクニック2:iDeCo(所得控除で節税)
iDeCo(個人型確定拠出年金)は「掛金が全額所得控除になる」という、NISAにはないメリットがある。
iDeCoの節税効果
- 掛金が全額所得控除:年収500万円の会社員が月23,000円(年27.6万円)をiDeCoに拠出した場合、年間約5.5万円の節税
- 運用益が非課税:NISAと同じく運用中の利益は非課税
- 受取時も控除:退職所得控除または公的年金等控除が適用
iDeCoの注意点
- 60歳まで引き出せない:これが最大のデメリット。緊急時にも使えない
- 手数料がかかる:加入時2,829円、毎月の管理手数料171円〜
- 受取時に課税される可能性:退職金が多い人は注意
60歳まで引き出せないデメリットはあるけど、掛金の全額所得控除は強力。年間5.5万円の節税を30年続けたら、それだけで165万円のメリットになる。
NISAとiDeCoの使い分け
まずはNISAを優先。NISA枠を使い切った上で余裕があればiDeCoも活用するのがベスト。NISAはいつでも引き出せるが、iDeCoは60歳まで引き出せない。流動性を考えるとNISAが先だ。
テクニック3:損益通算(損を利益と相殺)
投資で損が出たとき、その損失を利益と相殺して税金を減らせる仕組みが損益通算だ。
損益通算の具体例
- A証券で+80万円の利益(通常なら約16.3万円の税金)
- B証券で-30万円の損失
- 損益通算後の利益は50万円(税金は約10.2万円)
- 約6.1万円の節税
同じ証券会社内の特定口座(源泉徴収あり)なら、自動的に損益通算される。でも異なる証券会社の損益を通算するには確定申告が必要だ。
テクニック4:繰越控除(3年間損失を繰り越せる)
損益通算しても相殺しきれなかった損失は、翌年以降3年間にわたって繰り越すことができる。
繰越控除の具体例
- 2025年:-100万円の損失(確定申告で損失を繰越)
- 2026年:+40万円の利益 → 繰越損失と相殺 → 税金0円(残り繰越:-60万円)
- 2027年:+30万円の利益 → 繰越損失と相殺 → 税金0円(残り繰越:-30万円)
- 2028年:+50万円の利益 → 繰越損失30万円と相殺 → 課税対象は20万円のみ
3年間で合計約20万円の節税になる。ただし、繰越控除を使うには毎年の確定申告が必要(利益がゼロの年も)。面倒だけど、確実にお得だ。
テクニック5:配当控除(総合課税で取り戻す)
配当金は通常20.315%の税率で源泉徴収されるけど、確定申告で「総合課税」を選択すると、税金の一部を取り戻せる場合がある。
配当控除の仕組み
- 日本株の配当金を「総合課税」で申告すると、配当控除(所得税10%、住民税2.8%)が適用
- 課税所得が330万円以下の場合、所得税率は10% → 配当控除10%で所得税は実質ゼロ
- 住民税は別途考慮が必要(住民税は申告不要を選択した方が有利な場合あり)
配当控除が有利になる人
- 課税所得が695万円以下の人(おおまかな目安)
- 日本株の配当金を受け取っている人(米国株の配当には適用されない)
- 専業投資家や退職後で所得が少ない人は特に有利
配当控除の注意点
配当控除は日本株の配当のみが対象。米国株やREITの配当には使えない。また、総合課税を選択すると配当金が所得に合算されるため、所得が多い人(課税所得900万円以上)は逆に税金が増える場合がある。自分の所得水準に合わせて判断しよう。
確定申告が必要なケースと不要なケース
5つのテクニックのうち、確定申告が必要なものとそうでないものを整理しよう。
確定申告が不要
- NISA:非課税なので申告不要
- 特定口座(源泉徴収あり)で1社のみ利用:証券会社が自動で計算・納税してくれる
確定申告が必要
- iDeCo:所得控除を受けるために確定申告(年末調整でも可)
- 損益通算:複数の証券口座間で損益を通算する場合
- 繰越控除:毎年の確定申告が必須
- 配当控除:総合課税を選択する場合
確定申告は面倒に感じるけど、今はe-Taxでオンライン完結できる。数万円の節税のためと思えば、十分やる価値はある。
特定口座(源泉徴収あり)のメリット
最後に、確定申告をしたくない人のための特定口座(源泉徴収あり)について。
特定口座(源泉徴収あり)のメリット
- 証券会社が自動で税金を計算・納税してくれる
- 確定申告が不要(1社のみの場合)
- 利益が20万円以下でも源泉徴収されるデメリットはあるが、手間がゼロ
「節税テクニックは面倒だから使わない」という人は、最低限NISA口座を開設して、残りは特定口座(源泉徴収あり)にしておけばOK。NISAだけでも数百万円の節税効果がある。
- NISA:最優先で使うべき。非課税効果は数百万円レベル
- iDeCo:NISA枠を使い切ったら検討。掛金の全額所得控除が強力
- 損益通算:複数口座で投資している人は必ず確認
- 繰越控除:大きな損失が出た年は3年間繰り越しを活用
- 配当控除:所得が低い人は総合課税で税金を取り戻せる