この記事の目次
結論:保険は自分で調べた「つもり」が一番危ない
最近、ネットで保険について調べて「保険いらないわ」と判断する人が増えている。YouTubeやSNSで「保険不要論」を見て、自分もそうだと思い込む。
気持ちはわかる。俺も前回の記事で「保険は確率と金額で考えろ」と書いた。実際、不要な保険に入りすぎている日本人は多い。
でもな、ちょっと待ってくれ。その「保険いらない」って判断、あなたの状況に合った判断ですか?
独身で貯金が500万ある会社員と、子ども2人いて住宅ローン組んでる自営業じゃ、必要な保険が全然違う。ネットの情報は「一般論」であって、あなた個人の最適解じゃない。
自分で調べるのは大事。でも、自分の状況に合った最適解を出すのは素人には難しい。だからプロに聞くのが一番早い。これが今回の結論だ。
なぜ自分だけで判断すると危険なのか
自分だけで保険を判断すると危険な理由は5つある。どれも「あるある」だから、心当たりがないかチェックしてみてくれ。
1. 公的保障の制度を知らない
高額療養費制度、傷病手当金、遺族年金、障害年金…。日本には充実した公的保障がある。でも、これらの制度をどこまで正確に知ってる?
たとえば高額療養費制度。月収28万〜50万の人なら、どれだけ医療費がかかっても自己負担は月8万円程度で済む。これを知らずに「入院したら100万円かかるかも」と怯えて医療保険に入ってる人、めちゃくちゃ多い。
傷病手当金も同じだ。会社員なら病気やケガで働けなくなっても、最長1年6ヶ月、給料の約2/3が支給される。これを知ってれば、就業不能保険が本当に必要かどうか、判断が変わるはずだ。
2. 自分の状況を客観視できない
保険は人によって必要なものが全然違う。
- 独身 vs 既婚:死亡保険は独身なら基本不要。でも配偶者や子どもがいるなら必要になる
- 子あり vs 子なし:子どもの教育費を考えると必要な保障額が大きく変わる
- 会社員 vs 自営業:会社員は傷病手当金があるが自営業にはない。必要な保険が根本的に違う
- 持ち家 vs 賃貸:団信(団体信用生命保険)に入っていれば死亡保険の保障額を減らせる
自分の状況を客観的に分析して、必要な保障額を算出できる人はほとんどいない。
3. 感情で判断してしまう
「がんが怖い」→ がん保険に入る。「子どもが心配」→ 学資保険に入る。気持ちはわかるけど、感情で判断すると不要な保険に入りすぎる。
前回の記事でも書いたけど、保険は「確率×損害額」で考えるべきだ。感情を挟むと冷静な判断ができなくなる。
4. ネットの情報は一般論
「保険はいらない」も「保険は必要」も、どちらもあなた個人の話ではない。ネットの情報はあくまで一般論だ。
YouTuberが「医療保険いらない」と言っていても、その人と自分の家族構成・収入・貯金額・健康状態が同じとは限らない。他人の正解が自分の正解とは限らない。
5. 保険商品が複雑すぎる
正直な話、保険の約款をちゃんと読んで理解できる人はほとんどいない。「特約」「免責」「払込免除」…専門用語のオンパレードだ。
しかも毎年新しい商品が出てくる。去年のベストな選択肢と今年のベストな選択肢が違うこともある。これを自分だけで追い続けるのは現実的じゃない。
専門家に聞くとわかること
じゃあプロに相談すると何がわかるのか。具体的に5つ挙げる。
1. 自分に本当に必要な保険が明確になる
今の家族構成・収入・貯金額に基づいた具体的なアドバイスがもらえる。「あなたの場合、死亡保険は3,000万円必要です」「医療保険は不要です」みたいに、数字で教えてくれる。
ネットで調べても「一般的には〜」としか書いてないけど、プロに聞けば「あなたの場合は〜」と答えてくれる。この差はデカい。
2. 無駄な保険を教えてくれる
入りすぎている保険、重複している保障を洗い出してくれる。実際、相談に行ったら月1万円以上の保険料が浮いたという人は珍しくない。
特に「会社の団体保険」「親が勝手に入れてくれた保険」「結婚前に入った保険」あたりは無駄が多い。
3. 公的保障でカバーできる範囲を教えてくれる
高額療養費制度で月の自己負担上限がいくらか、傷病手当金で何割もらえるか、遺族年金でいくら支給されるか。これらを自分の状況に当てはめて計算してくれる。
公的保障でカバーできる部分は保険で備える必要がない。この計算をちゃんとやると、必要な保険が激減することが多い。
4. ライフイベントに合わせた見直しポイントがわかる
結婚、出産、住宅購入、転職、子どもの独立…。人生のイベントごとに必要な保険は変わる。
- 結婚したら:配偶者の収入次第で死亡保険の必要額が変わる
- 子どもが生まれたら:死亡保険の保障額を上げる必要がある
- 住宅を購入したら:団信があるので死亡保険を減額できる
- 転職したら:会社員→自営業なら傷病手当金がなくなるので就業不能保険を検討
- 子どもが独立したら:死亡保険を大幅に減額できる
こういうタイミングごとの見直しポイントを、プロなら的確にアドバイスしてくれる。
5. 最新の保険商品を知っている
保険商品は毎年新しいものが出る。ネットの情報は古い可能性がある。3年前の「おすすめ保険ランキング」を参考にしても、今はもっと良い商品が出ているかもしれない。
プロは常に最新の商品情報をキャッチアップしている。同じ保障内容でも保険料が安い商品を知っていたりする。
どこに相談すればいい?
保険の相談先は大きく3つある。それぞれメリット・デメリットがあるから、特徴を理解して使い分けるのが大事だ。
1. 保険ショップ(ほけんの窓口等)
保険ショップの特徴
- メリット:複数の保険会社の商品を比較してくれる。無料で相談できる。全国に店舗がある
- デメリット:手数料が高い商品を勧められる可能性がある。「売りたい商品」にバイアスがかかることも
- 向いている人:具体的な商品を比較して選びたい人
2. FP(ファイナンシャルプランナー)
FP相談の特徴
- メリット:保険だけでなく、家計全体の相談ができる。独立系FPなら特定の商品を売り込まれない
- デメリット:有料の場合5,000〜10,000円/回が相場。ただし無料FP相談サービスも増えている
- 向いている人:保険だけでなく家計全体を見直したい人、中立的なアドバイスが欲しい人
3. 保険会社の直接相談
保険会社直接相談の特徴
- メリット:自社商品に非常に詳しい。細かい条件や特約について深く聞ける
- デメリット:他社との比較はしてくれない。営業色が強い場合がある
- 向いている人:すでに特定の保険会社の商品に興味がある人
おすすめの相談方法
具体的な流れをまとめるとこうなる。
- まず無料のFP相談を受ける:自分に必要な保障額を把握する
- 保険ショップで商品を比較:具体的な商品を選ぶ段階で利用する
- 複数に相談する:「セカンドオピニオン」として最低2箇所は回るのがベスト
1つの窓口だけで決めるのは危険だ。人間にも「得意な商品」「勧めたい商品」がある。複数の意見を聞いて総合的に判断しよう。
相談前に準備しておくこと
プロに相談するにしても、手ぶらで行くのはもったいない。事前に準備しておくと、相談の質が格段に上がる。
相談前に準備するもの
- 現在加入している保険の証券:保障内容と保険料がわかるもの。なければ保険会社に問い合わせて取り寄せよう
- 家計の収支:月の手取り、固定費(家賃・ローン・通信費等)、貯金額。ざっくりでいいから把握しておく
- 家族構成と今後のライフプラン:結婚・出産・住宅購入の予定があるかどうか。子どもの進学先の希望(公立か私立か)も
- 「何が不安か」を言語化しておく:「がんになったらどうしよう」「働けなくなったら」「家族にお金を残したい」など、具体的な不安を整理しておく
特に4番目が重要だ。不安が曖昧なままだと、プロも的確なアドバイスができない。「何が不安か」を具体的に言葉にしておくことで、相談がスムーズに進む。
「無料相談」は本当に無料?裏はないの?
「タダより高いものはない」って思うよな。わかる。でも保険の無料相談は、ちゃんとしたビジネスモデルで成り立っている。
保険ショップやFP相談サービスは、保険会社から手数料をもらっている。あなたが保険に加入すると、保険会社が紹介手数料を払う仕組みだ。だからあなたがお金を払う必要はない。
これは不動産の仲介手数料と似たような仕組みだと思えばいい。売主(保険会社)が手数料を負担するから、買主(あなた)は無料で相談できる。
ただし注意点もある。
- 「無料だから」と流されない:相談は無料でも、その結果不要な保険に入ったら本末転倒
- 手数料が高い商品を勧められる可能性:保険ショップの収入は手数料だから、手数料の高い商品を優先的に勧める担当者もいる
- 「持ち帰って考えます」は使っていい:その場で契約する必要は一切ない。冷静に判断するために持ち帰ろう
無料相談を使い倒して、必要な情報だけもらう。これが賢い使い方だ。
相談する時の注意点
プロに相談するのは大事だけど、丸投げするのはダメだ。以下の5つは必ず守ってくれ。
1. その場で契約しない
「持ち帰ります」を使え。これが一番大事。保険は数十万〜数百万円の買い物だ。その場の雰囲気で決めるな。家に帰って冷静に考えてから判断しよう。
2. 複数の窓口に相談する
1つの窓口だけだと、その担当者のバイアスがかかる。最低2箇所、できれば3箇所に相談して「セカンドオピニオン」を取ろう。提案内容が大きく違う場合は、その理由を聞いてみるといい。
3. 「なぜこの保険が自分に必要なのか」を説明してもらう
「この保険がおすすめです」だけじゃ不十分。「あなたの状況だと、この保障が必要な理由は〜」と、自分の状況に合わせた理由を説明してもらえ。説明できない担当者は信用するな。
4. 不要と感じたらはっきり断る
日本人は断るのが苦手だ。でも保険は長期間お金を払い続けるもの。不要だと思ったらはっきり「いりません」と言おう。曖昧な態度を取ると、ずるずると加入させられることがある。
5. 家族と相談してから決める
特に死亡保険や医療保険は、家族全体に関わる話だ。配偶者がいるなら必ず相談してから決めよう。「相談してきます」も、その場で契約を避けるための有効な言葉だ。
まとめ
この記事のポイント
- ネットの情報だけで判断するのは危険:一般論と自分の最適解は違う
- プロに聞けば30分で「自分に必要な保険」がわかる:家族構成・収入・貯金額に基づいた具体的なアドバイスがもらえる
- 無料相談を活用しろ:FP相談も保険ショップも無料で使える。使い倒せ
- 複数に相談してセカンドオピニオンを取れ:1つの窓口だけで決めるな
- その場で契約するな:「持ち帰ります」を使え
- 不要な保険を解約して浮いたお金を投資に回せ:月1万円浮けば、30年で400万円以上の資産になる
保険は「わからないから怖い」んじゃない。「わかったつもりで間違えてる」のが一番怖い。
自分で調べることは大事だ。でもそれだけで終わらせるな。プロの力を借りて、最短ルートで自分に必要な保険だけを見極めよう。浮いたお金はつみたてNISAに回せ。それが一番賢いお金の使い方だ。