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2026年度予算が成立!11年ぶりの異例展開
まずは今回のトピックのインパクトを整理しよう。2026年4月7日、総額122兆円余りの2026年度本予算が成立した。122兆円。もう数字がデカすぎてピンと来ないかもしれないけど、これは日本の一年間の国家運営を支える金額で、過去最大級の規模だ。
注目すべきは、本予算の成立が4月にずれ込んだのは2015年以来11年ぶりという事実。通常、本予算は年度が始まる前の3月末までに成立させるのが慣例で、間に合わない時は「暫定予算」を組んで一時的に運営する。今回は暫定予算を組んだうえで本予算を4月に通した形だ。
なぜ遅れたのかというと、少数与党化した国会の調整が難航したから。与野党の駆け引き、野党側からの修正要求、税制や社会保障の組み換え…とにかく普段より審議が長引いた。結果として「新年度入ってから成立」という異例の事態になった。
さらに高市首相は、予算成立の会見で「補正予算の編成は現時点では考えていない」と明言した。これはけっこう大きい。つまり政府としては「本予算で必要なものは全部盛り込んだ。追加で金をばらまく気はない」という財政規律の意思表示だ。
投資家にとって大事なのはここから先。予算が確定した=政府がどこに金を使うかが確定したということ。予算の重点分野に投資マネーが流れ込むのは、過去の例からしても鉄板のパターンだ。
政府が動くとこに金が動く
相場の世界には「国策に売りなし」っていう有名な格言がある。これは「政府が重点的に金を使う分野の株は、基本的には長期で上がる」という経験則だ。
当たり前といえば当たり前。政府が予算を組んで金をばらまけば、関連する企業に受注が流れる。受注が増えれば売上と利益が伸びる。業績が伸びれば株価も上がる。この単純なメカニズムが、過去の相場で何度も繰り返されてきた。
例えば2020年のコロナ対策予算ではワクチン・医療関連株が跳ねた。2022年の防衛費増額では防衛関連株が軒並み高値を更新した。半導体戦略でラピダス関連銘柄が何倍にもなったのも記憶に新しい。
今回の2026年度予算でも同じことが起こる可能性が高い。予算が通った直後は関連銘柄が動きやすい。ニュースで「〇〇分野に〇〇億円」という報道が出るたびに、その分野の銘柄にマネーが流入する。
だから俺たちがやるべきことはシンプルだ。今回の予算で重点が置かれた分野をチェックしろ。そして、その分野の主要銘柄を自分で調べろ。ただし、ニュースで騒がれた直後に飛びつくのは危ない。すでに織り込まれていることが多いからな。
トランプ関税対策の300億円はどこへ?
今回の予算で個人的に一番注目しているのが経済産業省が計上したトランプ関税対策の300億円超だ。これは中堅・中小企業の輸出促進を支援するための予算で、関税ショックで打撃を受けた輸出企業を救済する目的がある。
2025年にトランプ政権が発動した「相互関税」は日本にとって大ダメージだった。一時は24%という高関税が日本製品にかかり、日経平均は31,000円台まで急落。自動車・機械・電子部品など、輸出比率の高い業界が大打撃を受けた。
その後、日米の交渉でトーンはやや緩和されたが、今も完全な解決には至っていない。特に中堅・中小の輸出企業は、大手ほど体力がなく、関税コストを吸収しきれずに経営が厳しくなっているところが多い。
今回の300億円はその支援のために投じられる。具体的には、販路開拓、現地拠点の整備、商流の組み替え、物流コストの補助などに使われる見込みだ。ということは、この支援の受け皿になる企業が儲かる仕組みになっている。
関連銘柄として注目したいのは以下のジャンルだ。
- 総合商社:三菱商事(8058)、伊藤忠商事(8001)、三井物産(8031)など。輸出代行や現地販路を持つ商社は支援の受け皿として直接恩恵を受ける可能性が高い。
- 物流企業:日本通運(9147)、ヤマトホールディングス(9064)、日本郵船(9101)。輸出貨物の増加や物流ルート組み替えで動きが出る。
- 輸出サポート企業:貿易実務代行、通関サービス、海外進出コンサルなど、中小企業の輸出を裏でサポートするビジネスを持つ企業。
特に総合商社は配当利回りが4%前後あるので、「値上がり益+配当」の二段構えで狙えるのが魅力だ。バフェットが日本の総合商社株を大量保有しているニュースを覚えている人もいるだろう。長期投資家にとっては鉄板枠の一つになっている。
予算重点分野と関連銘柄
関税対策の300億円以外にも、今回の予算では複数の重点分野に大きな金が流れる。それぞれの分野と関連銘柄をテーブルでまとめた。これを見て「どの銘柄を調べるべきか」の参考にしてくれ。
| 分野 | 予算規模 | 関連銘柄例 |
|---|---|---|
| 国家情報局設置 | 数百億円規模 | サイバーセキュリティ関連(トレンドマイクロ、デジタルアーツ等) |
| 防災庁設置 | 数百億円 | 建設・インフラ(大林組、鹿島、清水建設等) |
| 防衛費拡充 | 8兆円規模 | 三菱重工(7011)、川崎重工(7012)、IHI(7013) |
| 半導体戦略 | 数兆円 | ラピダス関連、東京エレクトロン(8035)、アドバンテスト(6857) |
| 子育て支援 | 拡充 | ベネッセHD(9783)、学研HD(9470) |
| 高校・給食無償化 | 新規 | 学校給食関連(給食サービス企業) |
特に目立つのが防衛費の8兆円規模。これは前年比でも拡大しており、三菱重工・川崎重工・IHIの「重工3兄弟」にとっては強烈な追い風だ。実際、三菱重工は2024年以降株価が大きく上昇していて、防衛関連の本命として広く認識されている。
半導体も依然として国策の中心。ラピダスへの追加支援、東京エレクトロンやアドバンテストといった製造装置メーカー、そしてソシオネクストなどの設計関連企業まで、裾野が広い。世界的なAI需要の追い風もあって、中長期のストーリーは明確だ。
新しく注目したいのが国家情報局の設置。経済安全保障とサイバー防衛を強化する流れの中で、情報収集・分析のための新組織が立ち上がる。ここにはサイバーセキュリティ関連の民間企業が噛んでくる可能性が高い。トレンドマイクロやデジタルアーツあたりは要チェックだ。
防災庁についても、インフラ投資の観点で建設大手が恩恵を受ける。南海トラフや首都直下地震への備えが強化されれば、長期で安定した受注が見込める。
現在の株価状況(2026年4月時点)
投資戦略を語る前に、今の相場状況を整理しておこう。2026年4月現在の日経平均は37,000〜39,000円のレンジで推移している。これは去年のピークから見ると大きく水準を下げた状態だ。
去年の年末まで日経平均は4万円台をキープしていたけど、トランプ関税24%の発動ショックで一時31,000円台まで急落した。その後、日米交渉の進展や決算発表の底堅さを受けて、現在は37,000〜39,000円のレンジまで回復した。つまり「半分戻したくらい」の状態。
円相場は1ドル157円台で推移している。日米の金利差は縮小方向だが、まだ円安優位。これは輸出企業にとってはプラスだが、輸入物価の上昇という形で家計を圧迫している。
今の相場の空気は一言でいうと「綱引き状態」。一方には「関税緩和期待」「予算成立による国策期待」「企業業績の底堅さ」というプラス材料。もう一方には「景気減速懸念」「地政学リスク」「次の関税ショック再来リスク」というマイナス材料。このふたつがガチンコで引き合っている。
だから、一方向に大きく動くというよりは、ニュース一つで上下する不安定な相場になっている。こういう時こそ、短期の値動きに振り回されずに、中長期のストーリーで銘柄を選ぶのが重要だ。
今の買い方戦略
ここまでを踏まえて、今の相場で俺がおすすめしたい買い方を4つにまとめた。
戦略1:国策銘柄を長期保有
防衛・半導体・インフラ・サイバーセキュリティは、今回の予算でも予算規模がデカい分野で、長期で伸びる国策テーマだ。短期の値動きに惑わされず、最低でも2〜3年の時間軸で保有するつもりで買うのが基本。
三菱重工、東京エレクトロン、大林組といった本命銘柄は、すでに株価が上がっている面もあるけど、中長期のストーリーが変わらない限り調整局面では淡々と拾っていく戦略が有効だ。
戦略2:高配当株で守りを固める
守りの軸として必ず入れておきたいのが高配当株だ。特に総合商社(三菱商事・三井物産・伊藤忠)は配当利回りが4%以上で、関税の影響も相対的に受けにくい。
商社以外だと、内需系の食品・医薬品・通信も選択肢になる。KDDI、NTT、武田薬品、花王あたりは世界情勢に振り回されにくく、配当も安定している。相場が荒れた時ほど、こういう「守りの銘柄」が効いてくる。
戦略3:現金比率を保つ
今の相場はまだ関税交渉の結果次第で乱高下する可能性が高い。だからこそ、全力買いせずに現金を残しておくのが正解だと思う。
目安としては、投資余力の30〜40%は現金で残しておくイメージ。そうすれば暴落時に「押し目買い」のチャンスが来た時に機動的に動ける。現金はゼロリターンに見えるけど、実は「いつでも買えるオプション価値」を持っている。
戦略4:NISA積立は継続
最後に一番大事なことを言う。どんな相場でもNISAの積立は止めるな。これは俺が何度も繰り返し言ってるし、今後も繰り返し言い続ける。
暴落が来たら「セールが始まった!」くらいに考えろ。安く買えるタイミングで積立を止めたら、ドルコスト平均法のメリットが消える。逆に、暴落時に積み立て続けた人が5年後、10年後に大きな資産を築いている。これは歴史が証明している。
やってはいけない投資
戦略の次は、絶対にやってはいけないことを整理しておこう。こっちのほうが実は大事だったりする。
1. 一括投資で全力買い
今の相場はボラティリティが高すぎる。関税ニュース一つで数千円動く可能性がある中で、全財産を一括で投じるのは自殺行為に近い。必ず分割して、タイミングを分散して買え。
2. SNSの煽りに乗る
「この銘柄が来る!」「爆上げ確定!」みたいなSNSの投稿は要注意。煽っている本人が高値で売り抜けようとしている場合がほとんどだ。自分で調べないまま人の推奨銘柄を買うのは、カモになりに行くようなもの。
3. 信用取引でレバレッジをかける
信用取引は短期で資金効率を上げられる反面、逆行すると一瞬で強制決済される。特に今のような乱高下相場では、レバレッジは破滅への近道だ。初心者は絶対に信用取引に手を出すな。
4. 短期売買で一発逆転狙い
「一発当てて人生変えよう」という発想で相場に入ると、ほぼ確実に負ける。短期売買で勝てるのはプロのごく一部だけ。俺たち個人投資家は、中長期でコツコツ積み上げるのが最適解だ。
まとめ
最後にまとめる。
- 2026年度予算122兆円が4月7日に成立。4月ずれ込みは11年ぶりの異例展開。
- 高市首相は補正編成を否定。本予算で重点分野が確定したので、国策マネーの流入が期待できる。
- トランプ関税対策の300億円超は中堅・中小輸出企業の支援。商社・物流・貿易関連が恩恵。
- 重点分野は防衛(8兆円規模)、半導体、国家情報局、防災庁、子育て支援。それぞれ関連銘柄をチェック。
- 相場環境は綱引き状態。日経平均は37,000〜39,000円レンジ、円は157円台。
- 戦略は「国策銘柄の長期保有+高配当株+現金比率+NISA積立継続」のバランス型。
- 一括投資・SNS煽り・信用取引・短期売買は絶対にやるな。
予算成立は、政府が「ここに金を使う」と宣言した瞬間だ。この宣言に沿って投資マネーが動くのは避けられない。俺たち個人投資家にできるのは、その流れを冷静に観察して、自分のルールに従って淡々と買いを入れていくこと。
パニックにならず、煽られず、焦らず、積立は止めない。これを愚直に続けた人が、5年後、10年後に笑っていられる。覚えておいてくれ。
免責事項
※本記事は筆者個人の見解であり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。